作品より人に興味がわくことについて
いろいろな展覧会に行って、「やっぱり作品よりも人の方に興味がある」と思うことが多くなりました。美術史を勉強して、文脈がもっとわかるようになれば、作品単体でももっと楽しめるようになるかもしれないけど、多分、人に興味がわくというのは変わらない気がします。
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この前、京都でやっている東アジア芸術祭に行ったんですが、展示会場で60〜70代くらいのボランティアのご婦人と何気ないおしゃべりをしたのが楽しかった。特別な思い出というわけでもないけど、なんとなく忘れられません。
無意識に京都市内にお住まいの近所の方がボランティアしてるんだろうと思っていたけど、話を聞いていたら、その方は大阪の枚方市からボランティアに通っているとのことでした。
しかも、ボランティアをやるようになったきっかけは「ここが出来た時に素敵だなぁと思った」からだそうです。そのふわっとした動機はなんとも面白く、いとおしく感じました。
他にも何か動機があるのかもしれないけれど、関西はこちらよりも何となくアートや文化事業に関わるハードルが低そうな気がします。もっと突っ込んでお話を聞きたくなりました(が調査っぽくなるのでやめました)。
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話は変わりますが、今日は仕事の展覧会でアーティストトークがあったり、終わってから作家さんとお話する時間がありました。やっぱり作品を見るだけじゃなくて、そこに関わる人の話を聞くのは楽しい。
楽しいと思うのは多分、一見合理的と思えない人の行為(コンセプトの立て方だったり製作方法だったり展示方法だったり)について、その人の話を聞いているうちにだんだん引き込まれて、何となく合理的に思えてくるような感覚があるからだと思います。
話を聞いている間は、その人の価値観を受け入れることができて、その人の人生を追体験しているような気持ちになれます。
私はストレスを感じやすい方なので、人の多いところが苦手なんですが、銭湯と居酒屋と展覧会は多分別枠で同じレベルで好きです。